2011年10月8日土曜日

危険物乙4と二級ボイラー技士をセットで目指そう!! vol 17

-負圧のボイラーの対処の仕方-

 まず、ボイラーを起動する前にボイラーの圧力を確認します。

 その時の圧力が負(マイナス)の値だった場合、皆さんならどうしますか?

 このような事態になる前に通常は、昇圧しておくか。というように、通常は昇圧を行うでしょう。

 でも、負の圧力になってしまった、こんな時には、その対処法として、まず、

 通常より少し多めの缶低ブローを行ってください。

 そして、ダート弁があるボイラーは、ダート弁を開けましょう。

 それで、圧力が普通に戻れば、負圧でボイラーを焚かなくてはならないことが、避けられると思います。

 そして、給水して、水面計の定位置より5センチほど下げた状態にもっていき、ボイラーを起動し、さらに給水しながらボイラーを焚いていけばよいのです。
  
 しかし、負圧になりやすいボイラーは、ボイラーの保温がきちんとできていないのではないかと思います。

 ボイラーには、通常は、内部ケーシングと外部ケーシングの間に保温剤が入っています。 

 ボイラーの熱損失は1番大きいものが排ガスからの損失です。2番目はボイラーからの放熱損失です。
 
 この、ボイラーからの放熱損失を減らすためには、ボイラーの保温が必要です。

 温度と圧力は比例しているため、温度が下がれば、圧力も下がります。

 また、このような場合、発生した蒸気自体が、どこかから漏れている可能性も考えられます。

 たとえばの例ですが、ボイラーから発生した蒸気が、還水槽の入り口で多量に漏れているなどの可能性もあります。

 その場合は、蒸気の熱損失が非常に大きくなるため、冷えた熱が伝わってしまい、ボイラー自体も、運転を止めると、冷えきって、最後には負圧になってしまうのです。

 そのような、原因を、まず、なによりも、究明することが先決です。

 そして、負圧を防ぐ目的で行う昇圧のためのトータルコストは、今は、ガスや石油の値段がとても高いので、ボイラーの保温のための工事コストよりも、もしかすると高くつくのではないでしょうか?

 また、省エネルギーを考えた場合も、ボイラー本体の保温をできるだけしておくべきです。

 その方法の一つとして、主蒸気弁と配管の間に中間弁を設けるなどの方法もあります。

 中間弁を設けたときは、ボイラー停止後は中間弁を閉めることになります。 そして開ける際は、ボイラー起動後、ヘッダーの圧力を考慮して、中間弁をゆっくり開ける(ゆっくり開けないとハンマを起こす恐れがあるため。)といった作業が必要になりますが、ボイラーの熱損失を防ぐという観点から必要な作業であることは言うまでもありません。(中間弁を閉めた際は、必ずそのことを引き継いで、みんなに知らせておくことも重要です。)

 

 ボイラーの温度を下げない、また、圧力を極端に下げない為の、最も効率の良い方法を、それぞれの現場でぜひ、考えてみてください。








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