2018年6月25日月曜日

危険物取扱者乙4と2級ボイラー技士をセットで取ろう!! vol.23 ボイラーの低水位と高水位運転の弊害

ボイラーの三大弊害は、低水位、腐食、キャリーオーバーです。

低水位での運転が危険なのは、低水位でボイラーを運転するとボイラー本体が過熱状態になり、ボイラー本体がメルトダウンを起こしてしまうため非常に危険なので、通常のボイラーでは低水位警報が鳴るようになっているのです。

しかし、高水位の運転による弊害もあります。

高水位でのボイラー運転ではボイラーやボイラー配管の腐食が非常に起こりやすくなるという弊害があるのです。

では、なぜ、高水位で運転すると、腐食が起こりやすくなるのでしょうか?

それは、高水位で運転すると、ボイラーで発生させる蒸気の湿り度が増すためです。通常はボイラーで発生させる蒸気は、過熱蒸気といって、湿り度が低い蒸気なのですが、高水位で運転すると発生する蒸気の湿り度が増すために腐食を起こしやすくなるのです。そのため、高水位運転を続けていると、ボイラー本体や、ボイラー配管などの腐食が起こりやすくなるため、改修コストが大幅に増すことに繋がります。

 そのため、通常のボイラーでは低水位警報と高水位警報もきちんと出るように施工しておくことが望ましいと言えるのです。

2016年4月21日木曜日

危険物取扱者乙4と2級ボイラー技士をセットで取ろう!! vol.22 酸洗浄とアルカリ洗浄


ボイラーは密閉容器です。そのため、長期間使用したボイラー内部には、汚れが溜まってきます。それが、スラッジや、スケールです。 そのため、ボイラーの整備の際には、それらの汚れを徹底的に除去します。そして、その際に行われるのが、酸洗浄とアルカリ洗浄です。 酸洗浄は、酸は、こびりついた汚れを除去するのに有効なので、スケールを除去することも可能です。そのため、クエン酸などの弱酸を用いて洗浄します。 なぜ、弱酸を用いるかと言えば、強酸を用いると、酸化力が強いために、ボイラーが錆びてしまう可能性があるためです。 そして、次に、アルカリ洗浄を行います。アルカリは、タンパク質などの汚れに対して非常に有効です。 なぜ、酸洗浄を行った後に、アルカリ洗浄を行わなければならないかと言うと、酸を中和して、ボイラーをアルカリ性に保つ必要があるからです。アルカリ性を保つことはボイラーを錆びから守る有効な手段だからに他なりません。

2016年1月2日土曜日

危険物乙4と二級ボイラー技士をセットで目指そう!! Vol.21 連続ブローの重要性について


ボイラーには、通常、ブローという操作が欠かせません。なぜならば、ブローをしないと、缶水中のスラッジが、固化してしまいスケールとなってしまうためです。 ブローの種類には二種類あります。まず、缶底ブロー、もう一つは、連続ブロー装置による、連続ブローです。まず、缶底ブローは、ボイラー起動前に、缶底ブローバルブをゆっくり開いて、少しずつ缶底に溜まった、スラッジを排出する目的で行うブローです。また、缶水を減らし、水位を下げる目的で行われる場合もあります。水位を下げておく目的は、高水位での運転を防止するために必要不可欠だからです。高水位での運転は、配管やドレンポットの腐食を早めます。なぜならば、高水位で運転すると、蒸気の湿り度が上がってしまうためです。そのため、高水位での運転を防止するために、高水位で運転した場合、高水位警報が、通常のボイラーでは出るようになっています。  次に、連続ブローについてです。連続ブローとは、ボイラーにつながっている連続ブロー装置を通して、自動的に行われるブローです。連続ブローを行う必要は、どこにあるのでしょう?    それは、ボイラーの缶水は、燃料によって温められて、蒸気を発生するので、必ず、缶水中に含まれている成分が濃縮される現象が起こるためです。これが、ひどくなると、プライミングフォーミングなどのキャリーオーバーを引き起こす原因になるためです。ボイラーの三大弊害は以前にも述べましたが、低水位、腐食、キャリーオーバーの三つです。非常に危険な状態を引き起こすので、キャリーオーバーを防ぐ目的で連続ブローは行われます。  このように、ボイラーは、デリケートな装置であると同時に、運転次第で、危険を伴う装置であることを認識して、運転を心がける必要があるのです。